恋の扉を開けて
「専務。」

「何だ?」

「お願いです。」

「・・・・・」

「昨夜のままで体が静まらなくて、どうにかしてください、お願い。」

下から上目使いで見つめられ俺はゾッとした。

「ルリル、まだ足りないのか?あんなにやったのに?ウソだろ?」

「もうダメですか?今日はもうやってもらえないの?」

「やめろ!そんな目で見るな。」

俺はため息をついた。

「いいだろう、うつ伏せになるんだ。」

彼女は嬉しそうに喉を鳴らした。

畜生、何もかも彼女に吸い取られそうだ。

一日中抱いても平気かもしれない。

それだけじゃない。

彼女は自分が欲しければ俺を誘惑した。

上手に俺を誘い、自分の中で操り、そして俺を上手に欲情させて自分を悦ばせた。

俺が彼女を抱くのではなく、俺が彼女を抱くように仕向けられているといった方が当たっていた。

だがそんな状況を頭でわかっていながら逆らえない自分に腹も立ったが、俺自身もそうなりたいと思っているから始末が悪かった。

俺がルリルを抱くことに悪い気はしなかった。

例え彼女に操られていたとしても俺の体はいつも女で満たされた。

彼女を抱くのを拒む必要は全然なかった。

相手が俺を望んでいるのだ。

信じられないが関係は続いた。

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