恋の扉を開けて
私には精神的に彼の支えが必要だった。

それには肉体的にも彼を受け入れていないと満たされなかった。

いつかは言わなければならないけれど、今はまだこのままでいたかった。

そして私は密かに彼を愛した。

この想いは彼には永遠に伝えないでいようと決めていた。

なぜなら拒否されると思うからだ。

彼にとって私は店の商品だ。

大事な商品は恋人には成り得ない。

恋人とは大切にしないととても壊れやすいものだ。

仕事を第一に考える彼が商品を壊れやすいものに変えるわけがない。

私は彼を想いながら彼を理解していたかった。

このまま彼を求めていたいなら愛は邪魔だと考えた。

彼に知られず密かに想う以外他に方法はなかった。

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