恋の扉を開けて
「今日言うつもりはなかったが言えるタイミングは逃したくないから言うが。」

「何でしょうか?」

「君のサポートがほしい。」

専務の口調は真剣だった。

「構いません。」

私は即答した。

「ルリル、よく考えてから返事をしてくれないか?」

「私には失うものがないんです。必要とされるなら前進するのみです。」

「それではダメだから言ったんだよ。」

「どうダメなんですか?」

「今はよそう。帰ってからまた話すよ。」

「わかりました。」

専務は食後にエスプレッソを飲んだ。

私はデザートを食べてお腹も心も満タンになった。

専務のご自宅のマンションに私は一人残された。

「店に顔出ししてくる。」

彼はそう言って出かけてしまった。

私はリビングのソファに横になった。

2号店のサポートの件を考えながら目を閉じた。

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