恋の扉を開けて
俺は自分の気持ちにつぶされそうになった。

彼女を愛しいと想う自分に浸っていたかった。

「セレナーデのHPは保留にしておく。」

「どうしてですか?」

彼女は驚きと共に悲しげな顔をした。

「出来は完璧だがオープンを少し延期したいからだ。」

彼女は困惑していた。

「なぜ延期なのですか?」

「準備万端で間をおきたい。単に気持ちの問題だよ。オープンしたら簡単にはやめられないだろ?」

「そうですけど。」

彼女は俺の言葉に納得していないようだった。

テーブルをはさんでお互い思案顔だった。

「送っていこう。」

「専務。私はどこか間違っていますか?」

「いや。どこも間違ってない。セレナーデに関しては不安な材料が多いが、それは少しずつ解決していけるものだ。」

「そうですね。」

「君には自分を一番に考えて行動してもらいたい。今の自分にいいと思うことをやれば結果は後からついてくる。」

車中俺たちは無言だった。

彼女は何を考えているのだろうか。

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