恋の扉を開けて
「ルリル、ウエイトお願いね。」

「ありがとう、エミィ。」

彼女はそのご主人さまにドリンクのサービスをしていた。

私はカウンターで隣り合う相手に丁重に挨拶をした。

「今日はご指名いただきましてありがとうございました。」

「また来るよ。」

「ありがとうございます。お待ちしております。」

ドアまで付き添いご主人さまの背に深々とお辞儀をして見送った。

店内にお客はもう居なかった。

先ほど来たばかりの一人をのぞいては。


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