恋の扉を開けて
「ちょっといい?三つ編みをほどいてみて。」
私は長い髪を左右に分けて三つ編みにしていたゴムを取った。
彼はサラサラと私の髪をほぐして垂らした。
「うん、いい。まるで別世界の人間だ。自分でどう思う?」
「あの、私よくわかりません。これは私じゃありません。」
「当然だ。コスチュームを着たら別人になってもらう。客は別人になった君を求めてくるんだから。」
「そうですか。」
私は鏡の中の自分に震えた。
「別人になれるでしょうか?自信ありません。」
「最初は戸惑うかもしれないが慣れるよ。皆そうだった。慣れたら俺でもびびるくらいにのめり込んで接客できる。彼女たちの店での本気が客を引き込むんだ。コスチュームを着たとたんにキャラに成りきっている自分に酔える。コスプレに陶酔できる人が夢中になるようにね。君にそういう趣味を持てと言っているのではない。あくまでもこれはビジネスだから接客業に合う合わない、向く向かないだけでは採用できないんだ。誰もがそれだけでできる仕事ではない。君が成り得る別人のキャラが客に売れるかどうかだけが決め手となる。俺の目は確かだ。信用してくれていい。明日土曜一日だけ試してみないか?自分の持つ可能性の一つが見えるかもしれない。今までにない自分を見つけられると思う。味わってみたいと思わないか?」
「やってみます。メイドネームはルリルでお願いします。」
私は長い髪を左右に分けて三つ編みにしていたゴムを取った。
彼はサラサラと私の髪をほぐして垂らした。
「うん、いい。まるで別世界の人間だ。自分でどう思う?」
「あの、私よくわかりません。これは私じゃありません。」
「当然だ。コスチュームを着たら別人になってもらう。客は別人になった君を求めてくるんだから。」
「そうですか。」
私は鏡の中の自分に震えた。
「別人になれるでしょうか?自信ありません。」
「最初は戸惑うかもしれないが慣れるよ。皆そうだった。慣れたら俺でもびびるくらいにのめり込んで接客できる。彼女たちの店での本気が客を引き込むんだ。コスチュームを着たとたんにキャラに成りきっている自分に酔える。コスプレに陶酔できる人が夢中になるようにね。君にそういう趣味を持てと言っているのではない。あくまでもこれはビジネスだから接客業に合う合わない、向く向かないだけでは採用できないんだ。誰もがそれだけでできる仕事ではない。君が成り得る別人のキャラが客に売れるかどうかだけが決め手となる。俺の目は確かだ。信用してくれていい。明日土曜一日だけ試してみないか?自分の持つ可能性の一つが見えるかもしれない。今までにない自分を見つけられると思う。味わってみたいと思わないか?」
「やってみます。メイドネームはルリルでお願いします。」