恋の扉を開けて
「雅樹?」

「ん?」

「彼女は毎日店に出てるのか?」

「ルリル?」

「あの子は普通じゃないだろ?」

「どうしてそう思う?」

「どこで拾ってきた?」

「気になる?」

「撮ってみたい。」

「目に止まったか!?」

「売れると思うよ。」

「特別扱いはしない。本人次第だ。」

「メイド全員を撮るなら一日かかるな。」

「考えておくよ。」

秀作とは2年以上会っていなかったが俺はそう感じないほどの友情を覚えた。

彼は俺の前から突然去り、そして突然現れた。

こうして彼と静かに会話できる時が来るとは思っていなかった。

「2年前いきなり消えて悪かった。」

「いいんだ。それぞれ生き方があるよ。」

「雅樹も今のままで終わらないだろ?」

「いろいろ考えてる。」

「考えていられる内が一番楽さ。」

「それは言えてる。」

「また会って話せるといいけど。」

「いつでもオーケーだ。」

「良かった。」

後日連絡を取り合う約束をして駅で別れた。


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