恋の扉を開けて
俺はまた歩いて店へ戻り、オフィスのPCでセレナーデのHPを眺めた。

携帯が鳴った。

「どうした、こんな遅くに?」

相手はルリルだった。

「気になって眠れないので思いきってかけてみました。」

「何が気になる?」

「彼は元パートナーですよね!?」

「彼の何が気になる?」

「存在そのものです。」

「あっはっは。重症だな!?」

「セレナーデの延期は彼のせいですか?」

「まったく無関係だ。気が晴れただろ?」

「いいえ。」

「悩むな。俺になら何でも言っていい。」

「わかりました。」

「眠れるだろ?」

「いいえ。」

「延期は俺の問題だ。君が気に病む必要はない。」

「わかりました。」

「おやすみ。」

「おやすみなさい。」

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