恋の扉を開けて
秀作から画像のデータを受信した。

俺は彼の才能に見惚れた。

2年前彼は何も言わずに俺の前から姿を消した。

どういうことなのか見当もつかず、当時は理解もできなかった。

俺は去るもの追わずだったが、気にはしていた。

カメラマンの夢を追いかけて、飛び出して行った彼の勇気に、俺には真似できない彼への羨望と、彼の人生の余裕を感じた。

彼には俺は必要ないが、俺には彼が必要な時があった。

今もそうだ。

しかも俺にはルリルも必要とした。

二人とも一癖も二癖もあるタイプだ。

俺の人生は当分退屈しないだろう。

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