恋の扉を開けて
「千葉さん、お時間をいただいてすみません。」

「話しって何?」

私は単刀直入に切り出した。

「専務のことです。」

「雅樹の何を知りたい?」

私は彼の目を真っ直ぐに見て言った。

「過去を知りたいんです。」

「知ってどうする?」

「今以上に彼を理解したいんです。」

「僕が知ってるのはごく最近だけだよ。」

「それでもいいんです。」

「どうして?」

「私はずっとメイドではいられないので、お店に役立つ人間として彼に貢献したいんです。」

「雅樹が好き?」

「はい。」私は隠さずに言った。

「どうして僕に話す?」

「お二人で会社をやってたと聞きました。」

「だけど僕は彼を裏切った。」

「でも今はここにいます。」

「彼は器がデカい男だよ。」

「知ってます。」

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