恋の扉を開けて
「体を少しだけ僕の方へ開いて。」

重いロウ台を左手に持ち、右手を手すりに置いたまま、ゆっくりと右から振り向いた。

「僕を見なくていいからその場に座って。」

彼女は足元に広がったドレスの中に腰をうずめた。

ロウ台を上の段に置き、両手で手すりをつかんだ。

彼女は恥ずかしげもなく僕に裸をさらしたまま、次の指示を待っていた。

「ゆっくりとドレスを胸までかき集めて。」

視線を落として両手を動かした。

スローモーションのようにドレスが持ち上がった。

後ろに置いたキャンドルの灯りが、彼女のボディラインを浮き上がらせて影の濃淡が絶妙に出せた。

「オーケー。休憩しよう。」

「はい。」

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