Dear.
この言葉に甘えてしまわない者などいるのだろうか



もしいるとしても、この時の私にはこの言葉に首を振ることも出来なければ、文で【無理です】などそんな言葉を彼に伝えるほど出来た女ではないのだ




すぐさま筆を取ると

【よろしくお願いいたします
返しの文が届き次第こちらをたちます】


そう、心が分かってしまわぬようワザと照れを隠してしまうような、なんとも可愛くない文を返して見せた



だけど、本当は...



「ああっ!!
どうしましょう!!
清光様に会えるなんて...天にも昇る心地とはこのようなことなのかしらっ!!!!」



何てことを言っていたりする




白い慶(けい)の肌がほんのりと赤みを帯び、まさに季節は冬から春へ





清光とは何者か。



慶の運命は....



そしてこの物語の行き着く先には何があるのか。




まだこの時は誰も知るものはいない




だが、まずは物語の舞台




京へ━━━━。
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