Dear.


今夜、伊東様が近藤様たち新選組数人と会談をするそうだ


そんな話を耳にした



新選組と聞いて思い浮かぶのは、今はもうただ一人、総司だけ



あと、四日で私は...

総司じゃない誰かの元へ嫁ぐ


けれど待っているのは絶望だけではない


今はもう、自分に嘘などをついてないから何処かスッっとした気分なのだ


総司が好き。


その気持ちが永遠に変わらなければそれでいい

そう考えているからかもしれない



「よしっ、」

そんなことを考えながら昼餉をせっせと作っているとチョイチョイと柱の影から誰かが手を招く姿が見える


「慶さん。」


私の名を呼ぶ声はさっき噂で聞いた伊東様自身で少し驚きながらその手の方へ向かい、伊東様であることを確かめる


「どうしたんですか、伊東様....??」


「今からお話いいかしら?」


うん、この時からなんとなくいい予感はしてなかった


ついて行くんじゃなかった



なのに、私は
「はい」
そう素直に返事をして伊東様に着いてゆけば、目的地はまさかの物置部屋


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