Dear.

前までは埃が充満していて入れたものではなかったが、私がなんとかかんとか掃除をして人の出入りが可能となった場所でもある



だが、そんなところに何の用なのだろう



「あの..伊東様？」



恐る恐る理由を聞こうと伊東様を見ようとした時だった


「っっっ？！！」


左足に鈍い痛みが走り、立ってられずその場に倒れる



痛みの原因を目で探ってみれば伊東様が刀を片手に、こちらを見ているではないか


「な、にをっ....」



怖い、痛い、悲しい、負の感情が心を多いつくし、抵抗だって出来ないまま強く両手を体の後ろで固定され、目隠しまでさせられ物置部屋へと入れられてしまう



ジンジン、と徐々に強まる足の痛み
多少、布を巻くなどはされたが、充分な手当てとはいいにくい


「伊東様っ、何故っ？！！」


こんな事をした伊東様を何も見えない状態で何度もそう問うが返事は返って来ない



”助けて、誰かっ！！！”


何度も叫ぶが、この物置部屋はみんなが過ごしている場所とは少し離れたところにあるため、誰も来てくれない



キィィ、とゆっくり音を立てながらしまって行くであろう物置部屋の扉



「いや、助け...」


「貴女は道具

それに逃げられたら困るでしょう。」


「え...？」



意味ありげな言葉を囁いた後、バタンッという音とともに完全に閉められた扉



そのあとに、ガタンと音もしたからきっと外からも鍵をかけたのだろう