Dear.
「ふざけるなよ総司...」
低い低い土方さんの声が部屋に響く。
本当に土方さんは容赦がない
病人を殴る、普通?
流石に僕でも苛々してきた、だってどうにも出来ないことをどうにかしろなんて、馬鹿げてる
「どうしろってんですか!!!
これ以上僕は..彼女を、慶を傷つけたくないんだっ!!!!」
本当に、これ以上は...
彼女の涙は見たくはないんだ。
「だからって、誰かに押し付けんのか?
途中で投げ出すのか?あ?」
痛いとこをつかれ、言葉が出なくなる僕はしたを向いて唇を噛む
確かに、投げ出したと見られても仕方が無い
江戸から無理矢理彼女を騙して京に呼びたして、笑わせたり、怒らせたり、泣かせたり..色々な日々を彼女と共に過ごしてきた
それで分かった気持ち。
好きだ、愛してる。
何度も何度も隠し続けたけど、やっぱり堪えられなかった大きな気持ち
それが今更やっぱり消えるはずはないんだ
やっぱり、僕は慶が好きなんだ
幸せに出来なくてもそばにいて欲しい
それだけなんだ...