Dear.
「....った.......だ。」




「え?」




彼の口がゆっくりと小さく動くがこの、少しの距離ではあまり上手く聞き取れない




その代わり、「沖田組長!!!」そんな勇ましい声が後ろから、いわばさっきまで話し込んでいた門番から聞こえる




沖田組長、と呼ばれるくらいなのだ



きっと新選組では偉い方なのだろう。




そしてこの方が...もしかしたら、清光様かも。


私の名を知っていたのもあるが、直感的にそう思った




「君が、清史郎の妹の慶さん?
本当に...?」




彼が徐々に近づき、触れられる距離までに差を縮めらる




「そうですが...、」




「ああ、似てる!


目も、顔形も、彼そっくりだ!」




両手をガッチリと掴まれ、ブンブンと縦横に振られ、いろいろな方向によろけそうになる





< 19 / 195 >

この作品をシェア

pagetop