Dear.
「し、新選組やぁっ!!!」


店の亭主らしき人が大声で僕らの存在を上(二階)伝える



でも、もう遅いよ。



ザクッ、と生々しい音を立てて階段から駆け下りてきた一人目を斬り倒す



ベチョ、と生暖かいものが羽織や着物につく



「ぁ、あ..。」


男から聞こえる呻き声は徐々に小さくなり、消えた



まずは一人目



そして、二人目、三人目



激戦の中でも僕は一人一人の命を経ってゆく


ガガガッ、と刀同士が当たる音

嗚呼、楽しい。



「ひ、ひぃ!

化け物っ!!!」



僕に背中を向けて逃げてゆく敵。


逃がすわけないでしょ。



グちョっ、と肉に刺さる刀の音



なんでだろう、こんな時でも笑いが込み上げる


この地獄のような空間がとても心地が良くなってくる




なんでだろう、なんでだろう..


あ、そっか、


僕は狂っているからか。


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