Dear.
まあ、確かに男の人に抱きしめられて、大丈夫なわけはないのだが、平助はそんなつもりないだろうから、大丈夫...なはずだ。



「いーじゃん、丞くん!
こっちは久し振りの慶だぞー。」



「一生帰ってこんへん方法はないやろか。」



ボソリと呟いた山崎様の言葉は確実に私の耳には届いていて、苦笑いするほかない

そんな私たち三人に近づいてくる一人の人

「藤堂さん...?

その方が、例の方でしょうか?」


第一印象は礼儀正しい、何処か山南様にも似ているような人だった



「そーだよ、伊東さん!
この子が武久 慶!!!
可愛いだろ??」



「ちょっ、平助!」



平助は知っているかもしれないが、こっちは初対面。


なのに、なんてことを言うのか...、あたふたするしかない



「ええ、確かに。
可愛らしい方.......


いじめがいがありそうだわ。」



ゾクリ、と駆け上がる悪寒。


それは彼の口調が何処と無く女に傾いているからか、それともまるで蛇に睨まれたような感覚に落ちいたからか、それはよく分からない




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