Dear.

「ふ〜ん、言わないつもりなんだ?

だったら、慶にはコレも要らないよねぇ?」



ヒラヒラと揺らされる一枚の文



どうみても、どう考えてもそれは清光様からのもの。



「要ります!要りますっ!!!」


屯所に来てからも続いている文のやりとり、これが私にとっての楽しみであり、励みにもなっている


「総司様っ!!下さいなっ!!!」


口調が少し変わって総司にねだって見せると“ふっ”と馬鹿にしたように笑われてしまう



「じゃあ、言おうか?」



「うっ...卑怯っ。」



「欲しくないの?」


そりゃあ欲しい。


というか元々私のものであって総司のものじゃあない


だけど、ここは素直に言うしかないのだろう


「絶対、絶対に笑ったり、茶化さないで下さいね?」


私が念を押して言うと、微笑みながら首を縦に振る。



「ちょっと、ほんのちょっとだけ...伊東様が怖いなぁ...って。」






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