∞妄想世界∞
暖房の効いた車内からホームに出た瞬間、一気にひんやりした空気が吹き抜けてくる。

甘い妄想に火照った身体も一気に凍り付くような寒さに、私はぎゅっとコートの衿元を握りしめた。


極寒の冬真っ盛り。
2月が立春だなんて、誰が決めたのよ。

春なんて全然感じないじゃないっ。


ぼやいてみたところで、暖かくはならない2月の空。


――そう。
そろそろ、バレンタインというイベントが控えてる日だ。
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