∞妄想世界∞
「本当はこのまま全部食べちゃいたい」

ぎゅっと抱き寄せられて、耳元で囁かれればドクンと血液が流れる。


「でも。
 今日は我慢しますから」

その言葉に胸が痛むのは、なんでなんだろう。

僅かに離された身体が、一気にクールダウンされてくのは、なんでなんだろう。

「すっげー食べちゃいたいけど。
 トーコさんが元気になるまで我慢っす」

困ったような苦笑いの大樹くんに、

本当は私のほうが、もっと大樹くんに触れたかったんだって気付く。
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