∞妄想世界∞
――確かに初めて二人きりで出かけたあの時。

大樹くんは『いつもお世話になってるお礼です』てドライブに連れてってくれて。

『俺は、大好きですよ? トーコ先輩』って。
そんな台詞は、私が『大樹くんなんて、嫌いだ』て言ってしまった反撃だったような気もする。


もしかして、大樹くんに他意はなくて。

ただ純粋にお礼をしてくれただけで、全部全部私の勘違いだったのかもしれない――。

そんな風にも思えてきてた。
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