約束は森の中~導かれて~
『イブ、さようなら』

『またね。イブ、今度遊ぼう』

 森から声が聞こえます。

「さようなら。みんな。またね」

 イブは振り返り、
 大きく手を振って
 森に別れのあいさつをしました。

 森を背に歩き出します。

 けれど、
 数メートル進んだところで、
 もう一度振り返りました。

 後ろ髪を引かれるような思いで、
 大事な忘れ物をしたような妙な気持ちです。



 しばらく佇んでいたイブでしたが、

「そうだった・・・」



 思い出しました。


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