約束は森の中~導かれて~
 青年もその方向を見て、
 イブを見て、交互に見比べます。

 それから。



 敵意はないと判断したのか、
 相手が少女だということも手伝ったのでしょう。


 こわばっていた表情が、
 だんだんと平常なものへと変わっていきました。



 イブは青年の目の前に剣を差し出しました。


 青年は、自分の腰のあたりを見て、
 ないことに気づくとぎょっとしたように、
 イブを見つめます。




 自分の持ち物であり、
 大事なものに触れたことが
 ショックだったのかもしれません。


< 41 / 103 >

この作品をシェア

pagetop