約束は森の中~導かれて~
「じゃあ、十年経ったら食べさせてくれる?」

「はい。もちろん。喜んで」

 青年はニコニコと、
 すぐに快諾してくれました。

(よかった)

 食べられると聞いて
 イブは一安心です。

 楽しみは先にあると
 思えばいいのでしょう。



(そうだ)

 イブはあることを思いつきました。

「お兄ちゃん。小指出して」


 イブは

 右の小指を

 青年の前に差し出します。



「小指ですか?」

 
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