約束は森の中~導かれて~
「約束の印だよ」

 イブが言いました。

「約束?」

「十年経ったら、
 おうじさま、食べさせてね。
 うそついたらダメだよ。
 ゆびきりげんまんしたからね。
 約束は守らないといけないの」


「それで、針を千本? 
 もしかして約束を破ったら飲むんですか?」


「うん。そうだよ」


 なんともまあ、
『王子様』が命を懸けた約束事に
 なってしまいました。



 青年も驚きです。

 そこまで執着されるとは
 思ってもみませんでした。


 紅い瞳を見開いて、
 呆れるようにしながらも、
 面白そうにイブを見てしまいます。



 それにしても、
 イブは真剣そのものです。



 いいのでしょうか?


 約束をしたのはイブなのですから、

 その時がきたら、

 責任・・・とりましょうね?
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