約束は森の中~導かれて~
再会の瞬間まで

 約束が成立したところで、 
 イブは青年を見てにこっとします。

 そして、はたと思い当ります。



 (けが!)



 おいしそうな食べ物につられて、
 すっかり忘れていました。

 イブは傷のあった脇腹を見つめます。


「治ったの? 痛くない?」

 最初に会った青年の苦しそうな姿が、
 目に浮かびました。



 心配そうに
 覗き込むイブのいじらしい瞳が、


 青年の心をとらえます。

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