不完全な魔女
チェルミは今までカリフが見てる前では、あられもない格好をして走りまわっていたりもしていた。
それは、カリフが自分のおむつをかえてくれたこともあるし、本当の年齢を知っているからという理由もあったが、人間の独身男に自分の裸体を見られることがはずかしいと思う体験をしたのは初めてだった。
ディルバとの間がいつもと変わった気がした瞬間、カリフが次の課題の話を始めた。
「チェルミ、失敗は引きずらない!次、いくぞ。
次は、小さくなる魔法だ。
体が小さくなれば魔法力も小さくなるのは知っているな。」
「ええ。だから、まわりにネコとか敵になる生き物がいないかどうかをよく確かめて、魔法を使うのよね。」
「ああ、それだけじゃ、不十分だがな。
確かにいないかどうか、確かめるのは絶対だが、自分が小さくなって何かをしようってときは、小さくならなければどうしても困るときに限ってほしい。
それは敵に対してもだが、この家のように、人間サイズで建築されているものの中で小さくなってまで動こうとすれば、階段も上がれないし、窓の下に飛び降りようとしても命が危うくなる。
そういう命の危険を回避するには、協力者の存在が絶対だ。
おまえの身がやばくなったときに、さっと助けてくれる存在。
助けてくれる者がいないときは、この魔法は使っちゃダメだ。」
「質問なんだけど・・・小さくなったらやっぱり裸なの?」
「小さい服のイメージをあらかじめ持っておけば、服も小さくなるから大丈夫だが、なければ大きな服の中に・・・・・」
「わ、わかったからもういいわ。先に服のイメージをうかべておかないとダメなのね。」
「よし、では実際にやってみろ。」
「お手本は?」
「これはお手本なしだ。前にみせてやったしな。
それに、俺が小さくなってしまったら、おまえに何かあったら守るやつがいないだろ。」
「だめだ。魔法を使える敵が絶対いないとは限らないから。」
「魔法を使う敵って・・・。」
「ああ、魔法使いがみんないいヤツとは限らない。
人間だってそうだろ?犯罪者はいるだろう。
しかも、おまえは王の娘だ。人間界とは別のところから攻撃を受けることもないとはいえない。
さあ、さっさとやってみろ。」
「ええ、やってみる。チェルーチェルーリリリ・・・小さくなあれ!」
ボワ~~~ン!
「やったか?あれ・・・チェルミ!どこだ?くっ・・・おまえ、失敗したな。
どこにいる?戻る魔法をかけるから正直に場所を教えろ!」
カリフがキョロキョロしていると、ディルバが困った顔をして手を差し出した。
「ごめんなさぁ~い、服をイメージできなくて、服の下敷きに・・・。
どうしよう。すぐにもどれないのよねぇ。」
ディルバが咄嗟に持っていたハンカチをチェルミの体にかぶせたが、今度は手を離すことができなくて困った顔をしている。
「ディルバ・・・すまないが、明日から3日間、君がチェルミを学校に連れて行ってはもらえないだろうか?」
「どういうことだ?」
「この魔法でこういう失敗をすると、俺が戻る魔法や他の魔法をチェルミにかけたとしても、効果があらわれるのに3日ほどかかるんだよ。
だけど、学校を欠席となると勉強も遅れるし、人形用の家にでもいれたとしても、何かに狙われてしまったらその方が危ないからね。
君がポケットにいれて連れて歩いてくれれば、チェルミの身が安全だと思うんだが。」
「しかし・・・その・・・俺のポケットにいるってことは例えば、俺がトイレに入ってるときもいっしょってことですよね。
着替えのときも。で、彼女はお風呂はどうしたらいいんです?」
「まぁ、そのへんは俺がやるから心配しなくていいから。」
「私、目をつぶってるか、隠れてるから・・・お願い、先生。」
「いい子にできるって約束できるか?もし、誰かに見つかってみろ。大変なことになる。」
「いい子にします。絶対、先生のプライベートを脅かさないようにするから、お願いします。」
「わかった。じゃ、小さい服とかなんとかしてやってくれ。魔法の師匠!」
「はぅ・・・不完全な魔女で申し訳ない。さてと・・・チェルミ、魔法をかけるから机の上に立って。
あ、先生はあっち向いてて。裸でここに立たせて魔法かけるから。」
「えっ!!!終わったら言ってくれ・・・。」
カリフはチェルミに元の大きさにもどる魔法をかけ、その後、小さな衣類を魔法で用意した。
「じゃ、明日の朝、30分早い時間で用意しておいてくれ。
おまえを迎えにきてから学校へ行くから。」
「先生、ご迷惑かけて本当にごめんなさい。
3日間よろしくお願いします。」
「ああ、じゃ、おやすみ。」
それは、カリフが自分のおむつをかえてくれたこともあるし、本当の年齢を知っているからという理由もあったが、人間の独身男に自分の裸体を見られることがはずかしいと思う体験をしたのは初めてだった。
ディルバとの間がいつもと変わった気がした瞬間、カリフが次の課題の話を始めた。
「チェルミ、失敗は引きずらない!次、いくぞ。
次は、小さくなる魔法だ。
体が小さくなれば魔法力も小さくなるのは知っているな。」
「ええ。だから、まわりにネコとか敵になる生き物がいないかどうかをよく確かめて、魔法を使うのよね。」
「ああ、それだけじゃ、不十分だがな。
確かにいないかどうか、確かめるのは絶対だが、自分が小さくなって何かをしようってときは、小さくならなければどうしても困るときに限ってほしい。
それは敵に対してもだが、この家のように、人間サイズで建築されているものの中で小さくなってまで動こうとすれば、階段も上がれないし、窓の下に飛び降りようとしても命が危うくなる。
そういう命の危険を回避するには、協力者の存在が絶対だ。
おまえの身がやばくなったときに、さっと助けてくれる存在。
助けてくれる者がいないときは、この魔法は使っちゃダメだ。」
「質問なんだけど・・・小さくなったらやっぱり裸なの?」
「小さい服のイメージをあらかじめ持っておけば、服も小さくなるから大丈夫だが、なければ大きな服の中に・・・・・」
「わ、わかったからもういいわ。先に服のイメージをうかべておかないとダメなのね。」
「よし、では実際にやってみろ。」
「お手本は?」
「これはお手本なしだ。前にみせてやったしな。
それに、俺が小さくなってしまったら、おまえに何かあったら守るやつがいないだろ。」
「だめだ。魔法を使える敵が絶対いないとは限らないから。」
「魔法を使う敵って・・・。」
「ああ、魔法使いがみんないいヤツとは限らない。
人間だってそうだろ?犯罪者はいるだろう。
しかも、おまえは王の娘だ。人間界とは別のところから攻撃を受けることもないとはいえない。
さあ、さっさとやってみろ。」
「ええ、やってみる。チェルーチェルーリリリ・・・小さくなあれ!」
ボワ~~~ン!
「やったか?あれ・・・チェルミ!どこだ?くっ・・・おまえ、失敗したな。
どこにいる?戻る魔法をかけるから正直に場所を教えろ!」
カリフがキョロキョロしていると、ディルバが困った顔をして手を差し出した。
「ごめんなさぁ~い、服をイメージできなくて、服の下敷きに・・・。
どうしよう。すぐにもどれないのよねぇ。」
ディルバが咄嗟に持っていたハンカチをチェルミの体にかぶせたが、今度は手を離すことができなくて困った顔をしている。
「ディルバ・・・すまないが、明日から3日間、君がチェルミを学校に連れて行ってはもらえないだろうか?」
「どういうことだ?」
「この魔法でこういう失敗をすると、俺が戻る魔法や他の魔法をチェルミにかけたとしても、効果があらわれるのに3日ほどかかるんだよ。
だけど、学校を欠席となると勉強も遅れるし、人形用の家にでもいれたとしても、何かに狙われてしまったらその方が危ないからね。
君がポケットにいれて連れて歩いてくれれば、チェルミの身が安全だと思うんだが。」
「しかし・・・その・・・俺のポケットにいるってことは例えば、俺がトイレに入ってるときもいっしょってことですよね。
着替えのときも。で、彼女はお風呂はどうしたらいいんです?」
「まぁ、そのへんは俺がやるから心配しなくていいから。」
「私、目をつぶってるか、隠れてるから・・・お願い、先生。」
「いい子にできるって約束できるか?もし、誰かに見つかってみろ。大変なことになる。」
「いい子にします。絶対、先生のプライベートを脅かさないようにするから、お願いします。」
「わかった。じゃ、小さい服とかなんとかしてやってくれ。魔法の師匠!」
「はぅ・・・不完全な魔女で申し訳ない。さてと・・・チェルミ、魔法をかけるから机の上に立って。
あ、先生はあっち向いてて。裸でここに立たせて魔法かけるから。」
「えっ!!!終わったら言ってくれ・・・。」
カリフはチェルミに元の大きさにもどる魔法をかけ、その後、小さな衣類を魔法で用意した。
「じゃ、明日の朝、30分早い時間で用意しておいてくれ。
おまえを迎えにきてから学校へ行くから。」
「先生、ご迷惑かけて本当にごめんなさい。
3日間よろしくお願いします。」
「ああ、じゃ、おやすみ。」