不完全な魔女
アスレチック公園内を2人はしばらく黙ったまま歩いて、ディルバがそろそろ帰ろうと声をかけた。
「偉そうなこといってすみませんでした。
私、先生のおっしゃるとおり、小さい頃は家族で楽しく暮らしてました。
だから、生まれる前からここに存在しちゃいけないみたいに言われた気持ちはわかりません。
だけど、罪人の私、ちっちゃくなって猫に追われるような私のお世話をしてくださった先生はとってもいい人なんだと思う。
あ、早く帰りましょう。このまま話していても嫌われるばかりですよね。
安心してください。明日から教室でしか顔あわさないし・・・私におびやかされませんから。
あ、もう私を連れてテレポートはしてくれないんですか?
そうですか。じゃ私は夜になってから魔法使って帰りますから、お先にどうぞ。」
「何、ゴチャゴチャすねてるんだ?
おまえが偉そうなのは初対面のときからだろう。
俺のことは誰にわかってもらおうとは元から思っていないよ。
教室でしか会わないだと?おまえにおびやかされたおぼえなんてないけど・・・。
俺はいい人?やっぱりおまえは何もわかっちゃいない。
俺はもっとやばい男だ。おやゆび姫がバニーガールになったのを待ってこんなことをしたかったんだから。」
ディルバはそう言って、チェルミの唇に何度も強くキスをした。
「う、うっ・・・や、お客さんにみられちゃ・・・・う・・。」
「周りをよく見てみろよ。」
「へっ、ここどこ?」
チェルミの視界には見たこともない岩場の上にすわって、湖の先に真っ赤に沈んでいく夕陽が見えた。
「きれいな景色だろ?じつは俺のお気に入りの場所。
誰も連れてきてないんだからな。テレポートでしか来れないから。ふふっ」
「すごいわ。私は夜しか魔法が使えないから、自力では無理よ。」
「ああ、だから俺に感謝しろ。もっといっぱい連れて行ってくれと頼め。
それと・・・俺がエスパーだという秘密に追加で、俺がチェルミの恋人だってことも秘密な。」
「えっ、えぇえええええ!先生が私の・・・こ、こいびとって・・・!」
「仕方ないだろ。おまえが生徒をやっている限り、バレたら俺がクビになってしまうだろ!」
「だったら恋人なんてしなきゃいいじゃないですか。」
「おまえな、毎日のように20分以上の魔力補給キスをさせられて、小さくなってるとはいえ、同じ寝床で寝て、おまえの風呂の用意をしてやって、着替えさせてやって、料理も与えてやって通勤時間も肌を密接させたままな相手にそんなしれっとしたこと言うな!」
「ちっちゃいから何も気にしないって言ったでしょ!」
「気にしたくなかったけど、気になるようなことをおまえがしてくるから!
明日からもう、うちにいない、寝顔が見れないなんてさびしすぎるだろっ!!」
「じゃ、何?今夜もいっしょに寝たいとかいうわけ?
カリフに殺されるわよ。」
「カリフが見ていいのに、俺がダメなのもおかしいだろ!」
「先生、それはへ理屈よ!!」
「へだろうが、悪だろうが、俺は夜だけ魔女のおまえが気に入ってしまったんだ!
最初は厄介なヤツの面倒をみてしまったなぁって思ったけど、ひたむきさだの真面目さだの見せつけられて、俺の能力全開で連れ去っても楽しそうにしてて、おまえといると、おまえのいうとおり、俺が俺でいられる。カッコよくいられる気がするんだよ。
これから、おまえが卒業するまでの1年と半年弱、避妊もしなきゃならないし、秘密は守らなきゃいけないし大変だなぁって思うけど、おまえはもう俺の心の嫁だからな。」
「それって強引すぎない?横暴?絶対君主?勝手に決め事しないでよ。
私まだ、先生以外の男性と恋愛経験ゼロ状態で、もったいないじゃない!
いきなり、おっさんが夫だって決めなきゃならないなんて。」
「おっさんって言うな!じゃ、じゃあ、おまえは俺のことは担任としてしかみれないっていうのか?」
「それは・・・わかんないよ。私は恋したことがないもん。
だけど、先生といるとドキドキするよ。
カリフといても、使用人相手にしてるのと変わらないのに・・・先生といると胸が苦しくなったり、体が熱くなったりするもの。」
「ふふふ、ははははは。それが恋してるっていうんだよ。
俺も同じだ。おまえの寝顔を見てどきどきしてた。
枕の上で寝てたおまえが、元の姿にもどったら何をしようかとか・・・想像した。
よぉーし、学校じゃ知らん顔して過ごすぞ。
ああ、そう思うとまたワクワクしてくるな。
じつは愛し合ってる2人が、どうやってよそよそしく過ごすかなんて作戦のたてがいがある。うん。」
チェルミは妙によろこんでいるディルバを見ていて、もう何も言うつもりもなかった。
けれど、とてもうれしい気持ちになった。
(悔しいけど、ディルバ先生が好き。)
「偉そうなこといってすみませんでした。
私、先生のおっしゃるとおり、小さい頃は家族で楽しく暮らしてました。
だから、生まれる前からここに存在しちゃいけないみたいに言われた気持ちはわかりません。
だけど、罪人の私、ちっちゃくなって猫に追われるような私のお世話をしてくださった先生はとってもいい人なんだと思う。
あ、早く帰りましょう。このまま話していても嫌われるばかりですよね。
安心してください。明日から教室でしか顔あわさないし・・・私におびやかされませんから。
あ、もう私を連れてテレポートはしてくれないんですか?
そうですか。じゃ私は夜になってから魔法使って帰りますから、お先にどうぞ。」
「何、ゴチャゴチャすねてるんだ?
おまえが偉そうなのは初対面のときからだろう。
俺のことは誰にわかってもらおうとは元から思っていないよ。
教室でしか会わないだと?おまえにおびやかされたおぼえなんてないけど・・・。
俺はいい人?やっぱりおまえは何もわかっちゃいない。
俺はもっとやばい男だ。おやゆび姫がバニーガールになったのを待ってこんなことをしたかったんだから。」
ディルバはそう言って、チェルミの唇に何度も強くキスをした。
「う、うっ・・・や、お客さんにみられちゃ・・・・う・・。」
「周りをよく見てみろよ。」
「へっ、ここどこ?」
チェルミの視界には見たこともない岩場の上にすわって、湖の先に真っ赤に沈んでいく夕陽が見えた。
「きれいな景色だろ?じつは俺のお気に入りの場所。
誰も連れてきてないんだからな。テレポートでしか来れないから。ふふっ」
「すごいわ。私は夜しか魔法が使えないから、自力では無理よ。」
「ああ、だから俺に感謝しろ。もっといっぱい連れて行ってくれと頼め。
それと・・・俺がエスパーだという秘密に追加で、俺がチェルミの恋人だってことも秘密な。」
「えっ、えぇえええええ!先生が私の・・・こ、こいびとって・・・!」
「仕方ないだろ。おまえが生徒をやっている限り、バレたら俺がクビになってしまうだろ!」
「だったら恋人なんてしなきゃいいじゃないですか。」
「おまえな、毎日のように20分以上の魔力補給キスをさせられて、小さくなってるとはいえ、同じ寝床で寝て、おまえの風呂の用意をしてやって、着替えさせてやって、料理も与えてやって通勤時間も肌を密接させたままな相手にそんなしれっとしたこと言うな!」
「ちっちゃいから何も気にしないって言ったでしょ!」
「気にしたくなかったけど、気になるようなことをおまえがしてくるから!
明日からもう、うちにいない、寝顔が見れないなんてさびしすぎるだろっ!!」
「じゃ、何?今夜もいっしょに寝たいとかいうわけ?
カリフに殺されるわよ。」
「カリフが見ていいのに、俺がダメなのもおかしいだろ!」
「先生、それはへ理屈よ!!」
「へだろうが、悪だろうが、俺は夜だけ魔女のおまえが気に入ってしまったんだ!
最初は厄介なヤツの面倒をみてしまったなぁって思ったけど、ひたむきさだの真面目さだの見せつけられて、俺の能力全開で連れ去っても楽しそうにしてて、おまえといると、おまえのいうとおり、俺が俺でいられる。カッコよくいられる気がするんだよ。
これから、おまえが卒業するまでの1年と半年弱、避妊もしなきゃならないし、秘密は守らなきゃいけないし大変だなぁって思うけど、おまえはもう俺の心の嫁だからな。」
「それって強引すぎない?横暴?絶対君主?勝手に決め事しないでよ。
私まだ、先生以外の男性と恋愛経験ゼロ状態で、もったいないじゃない!
いきなり、おっさんが夫だって決めなきゃならないなんて。」
「おっさんって言うな!じゃ、じゃあ、おまえは俺のことは担任としてしかみれないっていうのか?」
「それは・・・わかんないよ。私は恋したことがないもん。
だけど、先生といるとドキドキするよ。
カリフといても、使用人相手にしてるのと変わらないのに・・・先生といると胸が苦しくなったり、体が熱くなったりするもの。」
「ふふふ、ははははは。それが恋してるっていうんだよ。
俺も同じだ。おまえの寝顔を見てどきどきしてた。
枕の上で寝てたおまえが、元の姿にもどったら何をしようかとか・・・想像した。
よぉーし、学校じゃ知らん顔して過ごすぞ。
ああ、そう思うとまたワクワクしてくるな。
じつは愛し合ってる2人が、どうやってよそよそしく過ごすかなんて作戦のたてがいがある。うん。」
チェルミは妙によろこんでいるディルバを見ていて、もう何も言うつもりもなかった。
けれど、とてもうれしい気持ちになった。
(悔しいけど、ディルバ先生が好き。)