不完全な魔女
ミロアはその場にいた皆に向かって発言した。
「ああ、混血や違う種族であってもこの国に出入りできるようにしたいと思ってる。
魔法も使えないと皆が認めてから、この国を出たければ出ればいいんじゃないかと思ってな。」
「ああ・・・お兄さま!
そうよね。魔法は使えるにこしたことはないけれど、犯罪は魔法だけではどうにもならないところからやってくるものだって今回の事件でよくわかったものね。」
「そうだな。カリフのことも、ディルバのことも・・・おまえのことも父上が気にかけていた。
優秀な人材がこの国を去ってしまうのは悲しいだけだ。
魔法だけがその人を選ぶ理由にはならないからな。」
それから間もなく、カリフがチェルミの姉のミレイに告白して、ミレイがカリフの命に従った。
カリフは今は亡き国王のもとに訪れたとき、ずっとミレイのことが気になって仕方がなかったという。
ミレイもまたカリフのことを気にしていたが、混血魔術師という部分で要望することができずにいたのだった。
「さて・・・俺は帰るよ。
授業があるからな。
そういえば、カリフの代わりにランダルがうちの教師として赴任するそうだぞ。
たぶん、おまえの担任になるのだろうな。
それとも、もうおまえは人間界の高校は辞めか?」
「ええっ!どうして?
私、まだぜんぜん勉強し足りないというのに。」
「そうしたらランダルといっしょに住むのか?」
「あっ・・・それ、困るぅ。」
「しょうがないなぁ・・・ゴホン、それじゃ・・・またうちに住むか?」
「いいの?先生・・・。」
「ランダルと2人で住むよりはうちはばあちゃんがいるからなぁ。
きっと喜ぶと思うよ。
それに・・・俺も。」
「へっ?いいの・・・?」
「あと1年だろ。でも、兄さんの許可はしっかり取ってこい。」
「うん。絶対取ってくるから。」
ミロアはあきらめ顔で許可を出した。
そして、父親と同じく約1年は明るいうちは魔法を使えないように封じて、魔法の練習は月に1回魔法の国へもどってきてやることになった。
ウィルス患者はジェミオの努力のかいもあって、ほぼ完治状態になったこともあってチェルミは次はカリフとミレイの結婚式にやってくる約束をして人間界へともどっていった。
ディルバの家に着いてチェルミはナタリアといっしょに住めることを報告すると、すぐにお祝いすることになった。
ナタリアはディルバから事情をすべて聞かされて驚いたが、2人が無事にもどってきたことについてたくさん喜び、チェルミをかわいがった。
ディルバも新学期からチェルミの担任ではなくなったが、逆にそれがいい距離になったのかうれしそうに帰宅するようになった。
チェルミの担任は予想通りランダルだったが、ランダルは途中からやってきた教育実習生を好きになってしまったようで、チェルミはクスクス笑ってナタリアに語っていた。
「ランダル先生もチェルミと同じ魔法使いだったのね。
でも、見た目ほんとに変わらないんだもの。
あまり固いことは言いっこなしなんじゃないのかしら・・・。」
「そうよね。私だって、自分とまったく同じ魔法使いと結婚するとなったら考えちゃうわ。」
「あら、どう考えるの?」
「だって、同じ魔法使って私の方がヘタッぴ過ぎたらすごく目立つじゃない。」
「チェルミはそんなに魔法がヘタなの?」
「え・・・?えへへへ・・・。」
「そういえば、ディルバは小さい頃、テレポートを私に見られてすごくショックを受けたことがあったわ。
母親は決して見られてはいけないことだと教えたらしいんだけどね。」
「わかるような気がする・・・。
だって先生の超能力ってすごいんだもの。
妖精王よりも速いし、すごかったもの。
それに・・・何か・・・まだ何か隠してる気がする・・・。」
そんなある日のこと・・・1通の不思議な封書がディルバ宛てに届いた。
「これは・・・!」
ディルバの様子が夕飯時からおかしいことに気付いたチェルミは、ディルバに直接わけをきいてみた。
「俺が・・・次期妖精王だっていうんだ。」
「えっ?どうして・・・」
「魔法の国と違って妖精の森は中心ではあったけれど、制約はさほどきつくはなかっただろ。
俺が、妖精王を倒したときに目をつけられていたらしくて、生い立ちを調べられた。
そしたら・・・母さんが・・・妖精王の直系だったんだ。
だけど、俺は小さい頃は能力がなかった。
俺の父親はツィール家の後継ぎで俺は母さんと追い出された息子だ。
今も父さんは後妻さんとその子どもたちと仲良くやっている。
俺はなくてもいい存在で、寄宿舎生活が住んだらもう家にはかかわらないって思ってたところに、ばあちゃんが・・・。」
「ああ、混血や違う種族であってもこの国に出入りできるようにしたいと思ってる。
魔法も使えないと皆が認めてから、この国を出たければ出ればいいんじゃないかと思ってな。」
「ああ・・・お兄さま!
そうよね。魔法は使えるにこしたことはないけれど、犯罪は魔法だけではどうにもならないところからやってくるものだって今回の事件でよくわかったものね。」
「そうだな。カリフのことも、ディルバのことも・・・おまえのことも父上が気にかけていた。
優秀な人材がこの国を去ってしまうのは悲しいだけだ。
魔法だけがその人を選ぶ理由にはならないからな。」
それから間もなく、カリフがチェルミの姉のミレイに告白して、ミレイがカリフの命に従った。
カリフは今は亡き国王のもとに訪れたとき、ずっとミレイのことが気になって仕方がなかったという。
ミレイもまたカリフのことを気にしていたが、混血魔術師という部分で要望することができずにいたのだった。
「さて・・・俺は帰るよ。
授業があるからな。
そういえば、カリフの代わりにランダルがうちの教師として赴任するそうだぞ。
たぶん、おまえの担任になるのだろうな。
それとも、もうおまえは人間界の高校は辞めか?」
「ええっ!どうして?
私、まだぜんぜん勉強し足りないというのに。」
「そうしたらランダルといっしょに住むのか?」
「あっ・・・それ、困るぅ。」
「しょうがないなぁ・・・ゴホン、それじゃ・・・またうちに住むか?」
「いいの?先生・・・。」
「ランダルと2人で住むよりはうちはばあちゃんがいるからなぁ。
きっと喜ぶと思うよ。
それに・・・俺も。」
「へっ?いいの・・・?」
「あと1年だろ。でも、兄さんの許可はしっかり取ってこい。」
「うん。絶対取ってくるから。」
ミロアはあきらめ顔で許可を出した。
そして、父親と同じく約1年は明るいうちは魔法を使えないように封じて、魔法の練習は月に1回魔法の国へもどってきてやることになった。
ウィルス患者はジェミオの努力のかいもあって、ほぼ完治状態になったこともあってチェルミは次はカリフとミレイの結婚式にやってくる約束をして人間界へともどっていった。
ディルバの家に着いてチェルミはナタリアといっしょに住めることを報告すると、すぐにお祝いすることになった。
ナタリアはディルバから事情をすべて聞かされて驚いたが、2人が無事にもどってきたことについてたくさん喜び、チェルミをかわいがった。
ディルバも新学期からチェルミの担任ではなくなったが、逆にそれがいい距離になったのかうれしそうに帰宅するようになった。
チェルミの担任は予想通りランダルだったが、ランダルは途中からやってきた教育実習生を好きになってしまったようで、チェルミはクスクス笑ってナタリアに語っていた。
「ランダル先生もチェルミと同じ魔法使いだったのね。
でも、見た目ほんとに変わらないんだもの。
あまり固いことは言いっこなしなんじゃないのかしら・・・。」
「そうよね。私だって、自分とまったく同じ魔法使いと結婚するとなったら考えちゃうわ。」
「あら、どう考えるの?」
「だって、同じ魔法使って私の方がヘタッぴ過ぎたらすごく目立つじゃない。」
「チェルミはそんなに魔法がヘタなの?」
「え・・・?えへへへ・・・。」
「そういえば、ディルバは小さい頃、テレポートを私に見られてすごくショックを受けたことがあったわ。
母親は決して見られてはいけないことだと教えたらしいんだけどね。」
「わかるような気がする・・・。
だって先生の超能力ってすごいんだもの。
妖精王よりも速いし、すごかったもの。
それに・・・何か・・・まだ何か隠してる気がする・・・。」
そんなある日のこと・・・1通の不思議な封書がディルバ宛てに届いた。
「これは・・・!」
ディルバの様子が夕飯時からおかしいことに気付いたチェルミは、ディルバに直接わけをきいてみた。
「俺が・・・次期妖精王だっていうんだ。」
「えっ?どうして・・・」
「魔法の国と違って妖精の森は中心ではあったけれど、制約はさほどきつくはなかっただろ。
俺が、妖精王を倒したときに目をつけられていたらしくて、生い立ちを調べられた。
そしたら・・・母さんが・・・妖精王の直系だったんだ。
だけど、俺は小さい頃は能力がなかった。
俺の父親はツィール家の後継ぎで俺は母さんと追い出された息子だ。
今も父さんは後妻さんとその子どもたちと仲良くやっている。
俺はなくてもいい存在で、寄宿舎生活が住んだらもう家にはかかわらないって思ってたところに、ばあちゃんが・・・。」