不完全な魔女
まる2日間、カリフから人間の世界の学園生活というものを一通り教えてもらったチェルミは、ついに町で唯一のハンタル高校へと編入した。
もちろん、過去の経歴などはカリフがチェルミの兄や王室の教育係たちと綿密な打ち合わせをした上で、魔法で作り上げたものだったが、そんなものは人間の管理者たちがわかる由もなかった。
そして、教頭先生に案内された教室は・・・
「おっ、ついにやってきたな。」
「えっ・・・あれ、あなたは・・・。」
チェルミを歓迎する担任は、隣人のディルバ・ツィールだった。
ディルバはチェルミを紹介する前に小声でチェルミに伝える。
「ここでは先生だからな。家でのこととか言ったら殺すぞ!」
「なっ・・・(何なの?先生なんでしょ・・・いきなり殺すなんて、どういうこと。
もしかして、カリフが言ってた、いろいろ厄介なこと?たぶんそうだ・・・)」
「彼女は今日からこのクラスでみんなと勉強していく、チェルミ・ルローロだ。
え~と、ご家族の都合で彼女は、いろんなところへ引っ越しすることが多く、勉強面とか困っていることもあると思うから、みんなで助けてあげるように。いいか?」
「はぁ~~~い!」
「チェルミです。以前は、1つの学校へ留まれない生活ばかりをしていました。
こちらでは、かなり滞在できると思いますので、よろしくお願いします。」
「ではチェルミは、ロミの隣へ座って。
ロミ、教科書のページとかいろいろ教えてやってくれな。」
「はい。」
ロミ・ヒルフレットはクラス委員長でもあって人望も厚く、それでいてお高くもとまっていない素敵なレディだった。
チェルミはすっかり、ロミが好きになり、頭もいいロミに学校のいろんなことを教えてもらうことになった。
「だけど・・・ロミ、こんなバカな私と友達になっちゃったら、あなたがいじめられちゃうかもしれない。」
「何を言ってるの。あんたはバカじゃないって。
ずっといろんなとこを転々としてて、勉強できなかったんでしょ。
現に数学なんて、私が10分ほど説明してあげたら、スイスイ解けてるじゃない。
知らないだけなのよ。
知らないことは、1つずつ知ればいいだけじゃない。
それにね、私はあなたとは逆で友達はほとんどいないの。」
「うそぉ!そんなに賢くって、優しいのにお友達になってもらえない?
どうして?私はロミがすごくすばらしい人だって思うのに!!」
「チェルミ・・・ありがとう。
でもね、みんな引いちゃうの。だって私は・・・」
「飛び級が許可されれば、とっくに大学も卒業して、今頃は大学院で助手をしてるかも・・・だよな。」
「ええーーー!すごいじゃん。ロミ、すごい!
そんな偉い友達ができて、私って超ラッキーで超、うれしい。」
「ロミ、いい友達ができたな。
まぁ、こいつの遅れは俺もなんとかしてやるつもりだから、ロミは学園生活を楽しめ。
おまえは頭は確かに優秀だが、心は年相応か無理な大人への背伸びをしているぞ。
ある意味、チェルミのように素直に、ありのままに突っ走ってもいいのが若者の生き方だ。
高校生なんて失敗はつきもので、やってもやりなおしがきくし、許してももらえる。
法律に反することや、明らかに人の心を壊すようなことさえしなきゃいいんだ。」
(人の心を壊す・・・私はお姉さまの心を壊した・・・。ああっ・・・)
もちろん、過去の経歴などはカリフがチェルミの兄や王室の教育係たちと綿密な打ち合わせをした上で、魔法で作り上げたものだったが、そんなものは人間の管理者たちがわかる由もなかった。
そして、教頭先生に案内された教室は・・・
「おっ、ついにやってきたな。」
「えっ・・・あれ、あなたは・・・。」
チェルミを歓迎する担任は、隣人のディルバ・ツィールだった。
ディルバはチェルミを紹介する前に小声でチェルミに伝える。
「ここでは先生だからな。家でのこととか言ったら殺すぞ!」
「なっ・・・(何なの?先生なんでしょ・・・いきなり殺すなんて、どういうこと。
もしかして、カリフが言ってた、いろいろ厄介なこと?たぶんそうだ・・・)」
「彼女は今日からこのクラスでみんなと勉強していく、チェルミ・ルローロだ。
え~と、ご家族の都合で彼女は、いろんなところへ引っ越しすることが多く、勉強面とか困っていることもあると思うから、みんなで助けてあげるように。いいか?」
「はぁ~~~い!」
「チェルミです。以前は、1つの学校へ留まれない生活ばかりをしていました。
こちらでは、かなり滞在できると思いますので、よろしくお願いします。」
「ではチェルミは、ロミの隣へ座って。
ロミ、教科書のページとかいろいろ教えてやってくれな。」
「はい。」
ロミ・ヒルフレットはクラス委員長でもあって人望も厚く、それでいてお高くもとまっていない素敵なレディだった。
チェルミはすっかり、ロミが好きになり、頭もいいロミに学校のいろんなことを教えてもらうことになった。
「だけど・・・ロミ、こんなバカな私と友達になっちゃったら、あなたがいじめられちゃうかもしれない。」
「何を言ってるの。あんたはバカじゃないって。
ずっといろんなとこを転々としてて、勉強できなかったんでしょ。
現に数学なんて、私が10分ほど説明してあげたら、スイスイ解けてるじゃない。
知らないだけなのよ。
知らないことは、1つずつ知ればいいだけじゃない。
それにね、私はあなたとは逆で友達はほとんどいないの。」
「うそぉ!そんなに賢くって、優しいのにお友達になってもらえない?
どうして?私はロミがすごくすばらしい人だって思うのに!!」
「チェルミ・・・ありがとう。
でもね、みんな引いちゃうの。だって私は・・・」
「飛び級が許可されれば、とっくに大学も卒業して、今頃は大学院で助手をしてるかも・・・だよな。」
「ええーーー!すごいじゃん。ロミ、すごい!
そんな偉い友達ができて、私って超ラッキーで超、うれしい。」
「ロミ、いい友達ができたな。
まぁ、こいつの遅れは俺もなんとかしてやるつもりだから、ロミは学園生活を楽しめ。
おまえは頭は確かに優秀だが、心は年相応か無理な大人への背伸びをしているぞ。
ある意味、チェルミのように素直に、ありのままに突っ走ってもいいのが若者の生き方だ。
高校生なんて失敗はつきもので、やってもやりなおしがきくし、許してももらえる。
法律に反することや、明らかに人の心を壊すようなことさえしなきゃいいんだ。」
(人の心を壊す・・・私はお姉さまの心を壊した・・・。ああっ・・・)