都立白黒高校２年Ｃ組探偵団

１ 同好会

　至近距離で、真横にいる相手を見ていたのは山野裕一であった。髪は少し長めで、いつも原色の服を好んでいるが、これと言って特徴はなく、どこにでもいる高校生だ。

　真横にいるのは、ショートカットされた髪型にぽっちゃりとした体型で真っ白な肌の同級生の山本祥子だった。

　昼休みの時間で、もちろん二人はたわいもない話をして、教室に戻るところだった。

　都立白黒高校には制服はなく、生徒たちはみな私服だった。ほとんどの生徒は男女ともジーンズをはいていた。スカートの女子生徒はほとんどいなかった。

　二年Ｃ組の教室の前の廊下で、森本和也が推理小説を読んでいた。髪を短くカットして、いつも地味な服装で目立たない存在だった。

「で、さあ。今日どうすんだよ」

　と、裕一は言った。

「だって、今日は」

　と、祥子も言った。