都立白黒高校2年C組探偵団
「そうだな」

 と、和也は懐中電灯をつけて裕一を追った。祥子も由紀も黙って従った。 

 懐中電灯だけでは足元がおぼつかないので、それぞれゆっくりと下りていた。

「こら!」

 と、背後から言ったのは警備員である。

「逃げろ!」

 と、裕一が言うと、それぞれ慌てて階段を走った。

「わぁ!」

 と、警備員は声を上げたので、転んだはずだ。   

 それでも門まで走った。一番に着いたのは裕一だった。続いて祥子だが、由紀を気づかい和也はまだ三十メートル先だ。その後に警備員もいた。
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