都立白黒高校2年C組探偵団
「待って!」

 と、警備員の声が聞こえた直後に、足をもつれさせ、前に倒れた。
 おかげで、和也と由紀も捕まらずに門にたどり着いた。

「もう、大丈夫……」

 と、和也は由紀に言った。

 由紀はその場にしゃがみこんだ。

「キャー!」

 と、遠くから悲鳴が聞こえ、『ドスン』と、大きな音が響いた。

「あっ!」

 と、由紀は振り返り、右手人差し指を伸ばした。

「どうした?」

 と、和也は心配そうに由紀を見て、裕一も祥子も近寄って、由紀の指す方向に視線を向けた。校舎の一階部分であった。
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