黒イ世界
一、見えないモノ
僕はいつも不思議に思っていた。それはあの駅−。
不思議といっても、その駅はそれなりに降りる人も、乗る人もいる。それほど小さい駅でもない。
駅そのものは、普通の駅と何等変わらない。
比較的新しく、綺麗な駅だ。
ただ、“あそこの空間”を除いて…
そこの空間だけはまるで、切り貼りしたように違和感がある。
僕が違和感を感じるのは、ホーム越しの奥まった所にある黒く、やけに高い柵である。
その柵はぱっと見ただけでは、後ろの森と同調して、存在に殆ど気付かない。
その柵に初めて気付いた時は、古い洋館を囲む柵みたいだと思った。
黒塗りの、少し錆びた先が槍の様に尖っていて、つるの様模様が入っている。
少し距離がある為、はっきりと分からないが、周りの低めの木々と並ぶ位はある。
低いといえども、2メートルはあるだろうから、柵は相当高いことが分かる。
柵の内側を見てみようとした。しかし、柵内外の木々が重なり合って陰を作り、暗くて見ることは出来なかった。
昼でもこんなに薄暗いのだから、夜なんて近寄りたくない。
不思議といっても、その駅はそれなりに降りる人も、乗る人もいる。それほど小さい駅でもない。
駅そのものは、普通の駅と何等変わらない。
比較的新しく、綺麗な駅だ。
ただ、“あそこの空間”を除いて…
そこの空間だけはまるで、切り貼りしたように違和感がある。
僕が違和感を感じるのは、ホーム越しの奥まった所にある黒く、やけに高い柵である。
その柵はぱっと見ただけでは、後ろの森と同調して、存在に殆ど気付かない。
その柵に初めて気付いた時は、古い洋館を囲む柵みたいだと思った。
黒塗りの、少し錆びた先が槍の様に尖っていて、つるの様模様が入っている。
少し距離がある為、はっきりと分からないが、周りの低めの木々と並ぶ位はある。
低いといえども、2メートルはあるだろうから、柵は相当高いことが分かる。
柵の内側を見てみようとした。しかし、柵内外の木々が重なり合って陰を作り、暗くて見ることは出来なかった。
昼でもこんなに薄暗いのだから、夜なんて近寄りたくない。