黒イ世界
誰にも話すことが出来ず、閉鎖された世界に閉じ込められた彼女は、どれだけの不安を抱えて生きて来たのだろうか。


自分と何ら変わらない彼女。少しだけ人と違うだけで拒絶され、人ではなくなってしまった。
僕が同じ立場になったとしたら生きてゆける自信はない。

同情ではない。寧ろ敬意を感じた。
強い人だと思った。



「また来ても良いですか?」

「…え?」

「いや、迷惑だったら良いんです。」


言ってから後悔した。僕みたいなやつに何が出来るのだろうか。
彼女達の為に何も出来ないのに、ここへまた来る意味はない。

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