黒イ世界
「…白はさ、何か好きなことはないの?趣味とかさ。」

突然の質問で、彼の白い肌が少しだけ赤く染まった。
「え…?
…本を読んだり、空を見てたりすることかな。」


「どんな本読むの?」

僕も本を読むことが好きだった。

「なんでも。
…でも、物語が一番好き。知らない世界がいつでも手に入るから。」


「そうなんだ!!今度何冊か学校から借りてきてあげようか?」

白はさらに頬を赤くすると、俯きながら小さく頷いた。


「俺もマンガ読みたい!!リョー、俺にはないの?」


「僕のでいいなら持ってくるよ。」

朱はにんまりと嬉しそうに笑った。
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