黒イ世界
きっと部屋も相当あるに違いない。廃墟の様な外観とは対照的に、中は人の気配がする。


部屋をキョロキョロ見ていると、彼女が紅茶を入れて戻ってきた。
すごくいい香が漂った。
僕はそそくさとイスに座った。

「ありがとうございます。」

そう言うと、彼女が微笑んだ。

初めて笑った。
作り笑いだと分かっていたが何だかほっとした。




彼女は僕の目の前の席についた。


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