黒イ世界
「君は、今日からここで過ごしてもらう。」

ようやく口を開いたかと思えば、それだけを言って再び口を閉じた。
詳しい説明などは一切ない。

いつの間に用意したのか、見慣れた私の荷物が部屋の隅に置かれていた。



「分からないことは“彼”に聞けば良い。」


男の目線の先を見ると、何時からいたのだろう。
扉の所には、一人の男の子がいた。見た感じ自分より2、3歳年上だと思われた。



「彼はロッドだ。いいかい、仲良くするんだよ。」

まるで揉め事をおこすなと言っているように私に告げると男は部屋を後にした。

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