黒イ世界
二人きりになった部屋には、無音だけが流れている。

彼に聞きたいことは沢山あったが、今置かれている状況に頭がついていかない。
言葉として、何も出てこなかった。




「ねぇ、君の名前は?」

彼が先に声をかけてきた。突然のことで驚き、体がビクッとなった。

「黒木奏。…えーと、ろくさい。」


「ぼくはロッド。そうよりいっこ年上だ。僕は七歳。」


「ここはどこなの?」


「…けんきゅうじょ。
ぼくは産まれてすぐにここへ来てから、ずっとここにいるんだ。」


「わたしのパパとママはどこ?もう会えないの?」



彼は暗い表情をした。

「うん…。きっと会えないとおもう。」


涙が止まらない。突然の別れがこんな形で訪れるとは、夢にも思わなかった。

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