黒イ世界
「すごいなぁ…一人でこわかったでしょ?。

ちなみにぼくは、花癌なんだ。」

「はな…がん?」

「そう。花のがん。
段々体の中に花が咲いていくんだ。
それが普通に言う腫瘍みたいなもの。骨も血も花になっちゃう。そしていつか死んじゃうみたい。
ここにいるからぼくは生きていられるんだ。」

そう言って差し出した手首にはうっすらと、紅い花が透けて見えた。

ロッドは私ににっこりと笑いかけた。




切ないと、生まれて初めて思った。

自分より、ロッドの方が深刻なのだ。

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