黒イ世界
案内を全て終えた頃にはもう夕方になっていた。

昼を食べていない事を思い出したら、急にお腹が減ってきた。

私はロッドに聞いた。

「ねぇ、おなかすいたの…ご飯は…?」

「今、六時半だから後30分くらい。大丈夫、ちゃんと食べられるから。」

余程不安そうな顏をしていたのだろう。ロッドは頭を撫でてくれた。

時間まではまだある。

そういえば、まだ会っていない人が、いるのではないか。

その人たちに会いに行こうかと思った。


「ねぇ、他にもすんでるひとっているの?」

「もちろんいるよ。会った事あるのは10人くらいかな。
部屋からだしてもらえない人もいるから、よくわかんないけど。」


「だしてもらえないひと?」


「うん。
そうだな…ひとにうつる人とか、ちょっとおかしくなっちゃった人とか。」


「ロッドがあったことある人にはあえるの?」


「うん。会えるよ。行く?」


「行きたい!」


「よし、じゃあ行こうか。」


ロッドは私の手をひき、他の住人を案内するために部屋を出た。

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