黒イ世界





ここの生活にもすっかり慣れ、私はいつしか16歳になっていた。
羽はあれからも成長を続け、両手を広げるよりも遥かに大きくなった。
ぴったりと体にまきつけるようにして、うまく隠すことも出来るようになった。
だから、外出することに、支障はなかった。

外へ出るときは、たいていロッドと出掛け、ここの施設の人が一人運転手兼見張りとしてついてきた。

気を配ってかは知らないが、施設員は少し離れて着いて来た。

普通に街へ出て、買い物をしたり、ファミレスへ行ったり、普通の高校生がするような事をして遊んだ。
月に1、2回程度しか外出はなかったが、凄く楽しかった。
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