黒イ世界
しかし、あの駅に降りる為だけに、人の多い休みに、電車に乗るなんて、思ってもみなかった。
興味とは恐ろしいと我ながら思った。


案の定、平日なら空いている昼近くにも関わらず、やたら電車には人が多い。


遊びに行くと思われる中学生や、カップルたちの話し声が一際うるさく感じた。



−やめときゃよかったかな…


ささやかな後悔すら感じた。
やっぱり人込みは嫌だ…


そんな風に思う間に、あの駅についた。いつも見ているはずなのに、いざ降りてみると、そこは知らない駅の様だった。


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