黒イ世界
「抗癌剤。」
二人とも、その小さな瓶に詰まった、白い薬から目が離せなかった。
「薬があるのに、どうして最初から言わないんだよ。」
「僕がずっと君の花癌について研究してたのは知ってるだろう。恐らくここで一番理解していると思っている。」
「だから何が言いたいんだよ?」
ロッドがもどかしそうに聞いた。
「“君しか症例がいないとい”というのは、君が初めて使うわけだから、“この薬の効果や副作用もよく分からない”と言うことだよ。
君からちゃんとデータをとっているとはいえ、初めて使う薬だ。多少は効くとしても、癌細胞が死滅するほど効くのか、どんな副作用があるかわからない。しかもつくったのは、僕一人だ。
他の研究員にはこの薬の存在自体教えてない。」
二人とも、その小さな瓶に詰まった、白い薬から目が離せなかった。
「薬があるのに、どうして最初から言わないんだよ。」
「僕がずっと君の花癌について研究してたのは知ってるだろう。恐らくここで一番理解していると思っている。」
「だから何が言いたいんだよ?」
ロッドがもどかしそうに聞いた。
「“君しか症例がいないとい”というのは、君が初めて使うわけだから、“この薬の効果や副作用もよく分からない”と言うことだよ。
君からちゃんとデータをとっているとはいえ、初めて使う薬だ。多少は効くとしても、癌細胞が死滅するほど効くのか、どんな副作用があるかわからない。しかもつくったのは、僕一人だ。
他の研究員にはこの薬の存在自体教えてない。」