黒イ世界
「なぜ教えないの?」
ロッドも同じことを聞こうとしていたのだろうか、口を開きかけてやめた。
「それは君達が一番よく分かってるだろう?
ロッドの現状を他の人に話したら、毎日投薬だの検査だの本当に“実験体”になってしまう。
きついこと言うが、他の施設員たちにとって、君らは研究対象でしかないんだ。」
改めて他人から言われると、悲しかった。自分達はやはり人とは違うのだ。ちゃんと知っていたはずなのに、ここの生活が普通ではないことを。
「じゃあ、何で影澤さんは他のやつらのように接しないんだよ。同情?」
ロッドの手に花が浮かんだ。青い血管が手の甲に浮いている。
「最初は同情だっただんろうな。
“この子達は人として、外で普通にはいきられないんだ”って。
けれど、長年過ごすと何ら他の子と変わらないじゃないか。同情してた自分が馬鹿らしくなったよ。
普通に人として生きて欲しいから、研究してたっていうのが、本当のとこかな。」
ロッドも同じことを聞こうとしていたのだろうか、口を開きかけてやめた。
「それは君達が一番よく分かってるだろう?
ロッドの現状を他の人に話したら、毎日投薬だの検査だの本当に“実験体”になってしまう。
きついこと言うが、他の施設員たちにとって、君らは研究対象でしかないんだ。」
改めて他人から言われると、悲しかった。自分達はやはり人とは違うのだ。ちゃんと知っていたはずなのに、ここの生活が普通ではないことを。
「じゃあ、何で影澤さんは他のやつらのように接しないんだよ。同情?」
ロッドの手に花が浮かんだ。青い血管が手の甲に浮いている。
「最初は同情だっただんろうな。
“この子達は人として、外で普通にはいきられないんだ”って。
けれど、長年過ごすと何ら他の子と変わらないじゃないか。同情してた自分が馬鹿らしくなったよ。
普通に人として生きて欲しいから、研究してたっていうのが、本当のとこかな。」