黒イ世界
私の眠りが浅くなった。その瞬間、獣とも人ともつかないような叫び声が闇を切り裂いた。
心臓が全てを突き破り飛び出すかと思う程、怖かった。

しかし、その声の主が何なのか私は一瞬のうちに理解してしまった。
すぐにでもベットを飛び出して見に行かなければと思った。


しかし、体が金縛りにあったかのようにぴくりとも動かない。眼球だけがギョロギョロと動かすことが出来た。
汗が背中を流れるのが分かった。

“早く動かなければ…”

頭で分かっていても、体がいうことをきかない。


私の全てが動くことを拒否している。



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