黒イ世界
一睡も出来ぬまま夜が明けた。

いつしかロッドの叫ぶ声も聞こえなくなり、小鳥がさえずる声が昨日の出来事などなかったかのように、爽やかな朝を告げていた。

ロッド―!!!
急いで彼の様子を見た。

ベッドでスヤスヤと寝息を立てていたが、顔色は悪く、腕や首の花紋は消えていなかった。
やはり昨日の出来事は夢などではなかった。
そう思うと、不安がまだ拭えなかった。



「ん…」

ロッドが目をさましたらしい。


「ロッド、大丈夫?気分はどう…?!」



思わず自分の目を疑った。
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