黒イ世界
だが、全員を分散させ、移動させるには労力も費用もかかる。
だから、珍しい事例の子だけ残しあとは処分してしまうらしい。


君達二人は特に珍しい事例だから処分されると言うことはないだろうが、所詮僕の憶測でしかないから分からない。



君達にはどうか僕の分まで生きてほしい。

こんな小さな世界に閉じ込めていてすまなかった。殺される前に逃げてくれ。

僕のICカードがあれば大抵どのドアも開けられるはずだ。

こんな僕が言えることでもないが、強く生き延びてくれることを願う。

影澤 望


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