黒イ世界
内容が信じられなかった。殺される…?
私たちはもう一度捨てられるのか…どこに行っても私たちは邪魔者なのだ。


彼は優しすぎる。死んでまで私たちのことをこんなにも心配してくれるなんて…
涙が止まらない。彼が亡くなった事が今になって身に染みてきた。


泣きじゃくる私を抱き締めると、彼は小さな声で私の耳元で囁いた。


「奏…、ここから逃げよう。」



私たちは初めてここから逃げることを口にした。


< 91 / 113 >

この作品をシェア

pagetop